「おじゃまします」


成海くんは玄関に入った。


「ちょっと、ちょっと待ってて」


私はダッシュで階段を駆け上り、自分の部屋に行き、中を見渡した。


4畳半。

成海くんの部屋の4分の1ぐらいの狭さ。

ベットと机と小さなタンスでいっぱいの狭さ。


汚くはないけど…




狭い。。。



ここに入ってもらうのは

気が引けるなぁ…

リビングにしてもらおうかなぁ。



しかも今日は近距離で顔を見られたくないし…


リビングにしようと、部屋のドアを開けたら、




成海くんがすでにドアの前に立っていた。



「あ…あのさ…

私の部屋…狭いからリビング行こう」



私は成海くんの前に立って話した。


私の背丈では成海くんの視線を遮ることができず、

成海くんから、私の部屋は丸見えだ。



「気にしないよ」


成海くんは笑って、私の頭を撫でた。


私はこれに…弱い。




「じゃあ…どうぞ…」




私は成海くんが入れるように、横にずれた。



「おじゃまします」




成海くんは部屋に入ると、天井を見上げた。


「天井が高いな…」



そう。私の部屋は天井が斜めになっていて、

ちょうど傾斜の真ん中あたりに天窓がある。


横幅は狭いけど、

縦には長い。



私はベットに腰掛けた。


成海くんが隣に座ってきた。


「そういえば、成海くん今日どうしたの?」



「昨日帰りに11時頃行くよって言っただろ?」



え…そうだっけ…


私昨日の帰り上の空だったのかも…


「そ、そうだった。

ごめんね。今日塾は?」

「夕方からだから、まだ大丈夫だよ」



「そっか…」


二人で会っているこの時間、成海くん、本当は勉強したいんじゃないのかな…