今日は体育祭本番。


だいぶ体調はいいけど、見学することにした。


今日は成海くんの誕生日でもある。



でも…


こんな体だったから、プレゼントを買いに行けなかった。




あぁ…どうしよう…


グラウンドに列べた椅子に座って頭を抱えた。



「美音?どした?」



頭を上げたら、英理が心配そうに私の前の席に座っていた。


「まだ頭痛い?」



「ううん。大丈夫。
今日成海くんの誕生日なんだけど、

体がこんなだったから、プレゼント買えなかったんだ。

どうしよ…と思って」



英理がふんふんと、うなづいた。




そして私の耳元で


「私をあげるぅ〜って言ってみたら?」


と小声で言った。


「英理−!!」



「あ−はいはい。お子ちゃまだな〜美音は。

あ、いけっち!」




ん?いけっち?



「なんだ−?英理?
俺に食われてぇのか?」



池田くんが、英理の隣に座った。




「食えるもんなら食ってみやがれ!」


英理はうれしそうに、池田くんの胸をたたいた。



ん?




なんだかいい雰囲気。


って事は、もう付き合った?


この二人、いつから付き合ったんだっけ???




「俺ら、桜木と成海に負けね−から」



池田くんは、英理の肩を寄せて言った。


そうか、やっぱりこの二人、結ばれたんだ。


よかった…




「英理…よかったね!
私…本当によかったよ!」




「今度詳しく話すね」



英理は照れ臭そうに笑った。