成海くんのお父さんの病院…





その時、部屋のドアが開いて、白衣の男の人が顔を出した。


病院の…先生…?




「気分はどうだい?気持ち悪いとかないかい?」




その人は優しく私に声をかけた。




この人、笑った顔が、成海くんに似てる…




「俺の父さんだよ」


横に座っていた成海くんが言った。





「初めまして…いや、
君はここの病院で産まれているから、久しぶり…かな」





「え…」
「え!!」




成海くんと同時に驚いた。




「さっき君の…あ、美音ちゃんだったね。

美音ちゃんのお父さんに廊下で会ってね。

お父さんが僕の事、よく覚えていてくれたみたいで。

不妊治療に、ずっとここに通っていたみたいなんだ。

僕が担当していたみたいなんだけど…

カルテを今探してもらっているよ。

5年以上昔のカルテは、違う場所に大量に保管されているからね。

ちょっと時間がかかるんだ」





不妊治療…




お母さんが…?