成海くんはお父さんの目をしっかり見た。


「美音さんを、大切にします。

今、お父さんがお母さんにしているように僕も、

美音さんが苦しい時、

つらい時、

支えてあげたい、

守ってあげたいと思います」



お父さんはアハハ…と笑った。



「なんだかもう、嫁にやるみたいだな。ハハハ」





成海くんは真剣な顔でお父さんを見ていた。



「一人前になったら、また必ず、きちんとご挨拶にきます」





お父さんは優しい眼差しで成海くんを見た。



「その日を楽しみにしているよ」




「はい」




月明かりに照らされながら、

縁側に座っている成海くんとお父さんの後ろ姿を、

ずっと見ていたい

忘れたくないと思った。





私はこの光景を目に焼き付けた。