あれから毎日夕方、成海くんから電話がかかってきたけど、私は心の整理がつかないでいた。




なんの電話?



あの子を好きになっちゃったとか?



別れ話し?



なおさら電話に出たくない。







明日は花火大会だ。


花火を見る気分にもなれない。





トントン


「美音」



夜、ドアの向こうでお父さんの声がした。




「成海くんからの電話にでないのは、あまりよくない。

成海くんは話しがしたいと言っているんだ。

なんでも話し合わないと、わかりあえないじゃないか。

このまま避けていても前にすすめないぞ。

いいのか?このままで」




お父さん…ごめんね。





「もう少し時間が欲しい」





「わかった。

明日は花火大会だ。

母さんに浴衣をプレゼントするんだ。

美音も一緒に頼むぞ」




「うん」




「じゃあ…おやすみ」




「おやすみなさい」




私は眠りについた。