そんなふうに見ていてくれたなんて、思ってもみなかった。



みんなの優しい言葉が、すごくうれしかった。




「前野さん、本気で告るのかな」



「彼女に“告る宣言”っておかしくない?」


「腹立つね〜!」



「私たち、みんな桜木さん…もう、美音!

みんな美音のみかただからね!」





英理が私の肩に手をおいた。

「美音、自分から心を開けば、みんな友達になってくれるよ。

あんた、いいやつなんだから」




こんなにたくさんの友達に優しくされた事が、今までなかった。

でも、それは自分から心を閉じてしまっていたからなのかもしれない。


修学旅行にきて、よかった。友達ができた。

うれしくて涙がでた。


「ほらほら、泣かない美音!」


「鼻水、はい、ティッシュ!」




「なんか美音って、ちっちゃくて泣き虫で、かわいいやつだなぁ」


重岡さんが、私の頭をなでた。



「今日、成海くんが“さわんじゃねーよ”って怒ったじゃん?

あたし、びっくりしたよ。
成海くんも怒るんだあって。
あの温和な成海くんが!
そうとう美音が好きなんだなぁって思った。

ほら、泣きやんだか?」



重岡さんはティッシュを渡してきた。


「ありがとお−!」





みんなまだまだ、明け方まで、ずっといろんな話しをして、たくさん笑った。



楽しくて、一生忘れられない夜になった。