ジャージに着替えて、タオルで髪を拭いただけで、大浴場から出た。



ちょうど出たところに、成海くんの部屋の男子たちも、大浴場から出てきた。




濡れた髪の成海くん。かっこいいな…



「お〜!風呂上がりの女子たち〜
色っぽいね〜〜!!」


一人の男子が、からかってきた。



成海くんが笑っている。


その男子が、





私の髪を触った。








「濡れた髪、たまんね〜!な!成海」







成海くんは勢いよくその男子の腕を掴んだ。








「さわんじゃね−よ」





え……成…海くん…?




「じょ、冗談だよ!わりぃわりぃ!」




その男子は、成海くんの肩をたたいて、謝った。


成海くんは、投げつけるように、その男子の腕を放した。




そして成海くんは、私の手をにぎり、みんなから離れたところに私を引っ張っていった。








「成海くん?どこ行くの?成海くん!」





誰もいない廊下にきた。






成海くんは、いきなりギュッと抱きしめてきた。