「そういうのは、もっとお互いよ〜く知ってからが、よかったんじゃないの?」


ん〜なんか、24歳の私が14歳の英理に注意している。変な感覚だな。




「美音は堅いな〜。あ、彼氏きたよ、ほら」



英理が教室の後ろのドアを指差した。



「美音は同じ学校でいいなぁ。じゃ、また後でね」



英理は自分の席を探しに行ってしまった。


私は廊下に出て、成海くんのそばに駆け寄った。





「クラス違ったな」



「うん」




「休み時間、会いにくるから」



「うん。帰りも部活終わるの待っているね。

今度は私が遠回りするよ」




成海くんは笑って、私の頭をなでた。



「いいよ。そんなの気にしなくて」



なでていた手が、私のほっぺたに下がってきた。



「成海くん!先生来たんだけど!」


前野さんだ。




前野さんはまた、成海くんと同じクラス。



私と成海くんが別れた後、前野さんは、成海くんに告白した。


でも


成海くんは誰とも、付き合わなかった。