中3は、成海くんと違うクラスになることはもうわかっていたから、ショックはなかった。

英理は、また同じクラス。
私は下駄箱に入っていた丸められた紙を、

開かずにごみ箱に捨てた。

毎日入っていても、もう気にしない。


こんな、子供っぽい嫌がらせ…


中3のやることかな…こんなの。

なんて、24歳の私にはそう思えたけど、

あの頃は本当に苦しかったな…

そんな事を思い出しながら
教室へと階段を昇ったら、途中で英理に会った。


「美音〜!また一緒でうれしいよ〜!

あ!髪切った?

なんか…美音大人っぽくなったね。春休みなんかあったでしょ〜」



なんかって何。。


英理がニタニタしながら私を見た。


教室に入って、英理は私の席の前に座った。


「成海くんと違うクラスになっちゃったね」



「うん」



「まだ…ラブラブ?」


「ラブラブって…まあ…普通に付き合っているよ」



「美音が大人っぽくなったって事は…

やっちゃった?」




「ば、ばかあ!」





私は英理の口を押さえた。

「やってません。
大きな声でそういう事いわない!」

私はヒソヒソ声で言った。



「わ、わかった!わかった!!」

私は手をはなした。


「ふぅ。。まぁ…美音がラブラブでよかったよ。

美音がラブラブなら
私も言っちゃおうかな」



「?なんかあった?」



「あたし、春休みに、

やったから」






「エエ−−−−!」




今度は、私が口を押さえられた。