薄暗い家の中。
お母さんの寝室の前で立ち止まった。





悩んだ。





お母さんは、私を産んでよかったと思っているんだろうか。



私に『ありがとう』と言われて、うれしいだろうか。





ドアの向こうにいる、お母さんの気持ちを考えた。


お母さんは、どんな気持ちでいるんだろう。





娘の存在は、ただ憎いだけなんだろうか。




私の誕生日に、なんで死んだんだろう。





何も気持ちがわからず、一度も和解できず、私の前から消えてしまったお母さん。







私は、声をかけることができず、自分の部屋へと階段をのぼった。