初恋タイムスリップ【完】

唇にそっと触れただけの優しいキス。



また二人抱き合って、ベットに腰掛けた。


「俺…

送って行くよ」


そういって成海くんは立ち上がった。


「私、大丈夫だよ…」





成海くんは、ふっと笑った。


「なんでも言えっていったけど、

あんまりそんな…



無防備なこと言うなよ。


送っていくよ。

また明日も会おうな」




「…うん」




成海くんは私の頭をなでた。



私は成海くんのお母さんと優くんに挨拶をして、玄関を出た。

成海くんが私の自転車を押してくれて、また二人で歩いて私の家に向かった。


「明日も部活終わる頃に学校行くね」


「あぁ…わかった」



家に続く細い道の前まできた。


私に自転車を渡して、

「私の自転車乗ってく?」


「いいよ。走るよ、
トレーニングついでに」



「そっか。じゃあまた明日ね」


「またな」


成海くんは私の頭をなでて帰っていった。


私は自分の家に戻るのが、とても気が重くなった。


『信じようね』

成海くんのお母さんの言葉が脳裏を過ぎった。


信じる。


そうだね。



そう思いながら玄関を開けた。