都会の魔女

そして新月の日。

その日は朝から天気が良く、少し歩いただけでも軽く汗ばむ程だった。

さおりは取っている授業がたまたま休みだったため
気晴らしに、街に出てウィンドウショッピングをすることにした。

気の向くまま、しばらくブラブラしてみたが
さおりは心から楽しむことはできなかった。

依頼した復讐が一体どのように行われるのか、気になって仕方なかったのだ。

諦めてそろそろ帰ろうかと思っていると、
道路の反対側の店先に、みさきが立っているのが見えた。

さおりは少しびっくりして、建物のカゲに隠れ、遠くからみさきの様子を伺った。

「少し痩せたみたいだけど、
それ程変わった様子もないじゃない・・・」

さおりは気持ちを落ち着かせると
意を決して、みさきのいる方へと歩いて行った。

そして思い切ってみさきに声をかけた。