都会の魔女

「了解。
じゃ、ちょっくら行ってくるよ。」

アズラエルはそう言うと
ベランダの手すりから離れ、都会の夜に消えていった。

アズラエルが見えなくなるとイシュはベランダの窓を閉めて部屋に戻った。

イシュの住んでいるこの家には
普段寝食を行っている部屋とは別に、もう1つの部屋があった。

イシュは洗面所できれいに手を洗うと、そのもう一つの部屋の方のドアを開けた。