都会の魔女

帰り道 
さおりはこぼれそうになる涙と、
おなかの底からジワジワと込み上げてくる怒りを、必死でこらえて歩いた。

やっと家に着き自分の部屋に入ると、さおりはもつれそうな足でベッドに飛び込み
堰を切ったように声をあげて泣いた。

しかし泣いても、泣いても気が晴れる事は無かった。