都会の魔女

後に残された早苗は、もう一度拓也の顔を見ながら、訪ねた。

「本当の事を言ってごらん。

ママに言えないようなことしたの?」

すると拓也は首を横に振って
「僕、悪いことなんかしてないよ。」
と、早苗に訴えた。

「じゃあ、何があったの?」

早苗が再び聞くと、拓也は少しためらった後、早苗の顔を見て言った。

「誰にも言わないって、リナちゃんと約束したんだ・・・

だからママにも言えない。

でも僕がリナちゃんを泣かせたんじゃないよ。」

早苗は拓也の目を見て少し考えた。

そして
「そっか。

よし、わかった。
ママ、拓也を信じるよ。」

と言って、拓也の手を握りしめた。