廊下の窓から、中庭の大きな花壇が見えた。 少しだけだが、赤色のアネモネが咲いている。 アネモネの花言葉を思い出す。 “真実”と“嫉妬のための無実の犠牲”―― 新たな事実を知り、荒岡を質問攻めにしている2人と、教室の中にいる私が渡り役をした恋人達。 花言葉って凄いなと、私は苦笑した。 私の胸の中に、あたたかい何かが広がっていった。