というか、私たちの存在、忘れてるだろ。
なんかこっちが恥ずかしいのですけど。
ドアの向こうの階段から、手をふりながら笑っている、マリナの顔が見えた。
職員室から帰ってきたのだろう。
右手で、気だるそうな荒岡を引っ張っている。
私は、カエルのキーホルダーの件で、荒岡と話をしたいと、朝、マリナに頼んでいた。
そのため、荒岡が提出物を出すのに、マリナが付き添っていた。
マリナには悪いが、もう、荒岡と話したいことはなくなった。
たった今、すべて解決したのだ。
私と蓮華は廊下にでた。
「危~っ、配達物を届けに参りました~っ♪」
「ん、ありがと。マリナ」
「危……?この人って留美が告白した、荒岡だよねえ……?」
「ん、そうだけど。一応訂正、留美はこいつのこと好きじゃないよ」
「蓮華、知らなかったのっ?こんな金髪不良の有名人をっ」


