ボランティア委員


「……留美、荒岡に告白したのは本心からじゃないよね」

「……危……何で分かって……?」


留美に近づき、先輩には聞こえない程度の声で、彼女に語りかける。

留美の手にカエルのキーホルダーをそっと握らせる。

留美は目を見開いて驚き、微笑する私の顔を見る。

あの後、かん違いをした留美は、悔しかったため思わず、学年で1番人気のある荒岡に告白をしたのだろう。

私を見返したいという思いと、寂しさから……

荒岡は同じ小学校だったこともあるだろう。

ただ、荒岡は他に夢中なモノがあるのだ。

恋愛など遠く及ばない、荒岡を夢中にさせ、彼の目を輝かせているモノが。

そして、フラれた留美に追い討ちがあった。

ケータイが無くなったのだ。

先輩が思わずやってしまったことなのだが。

おそらく、先輩が落としていったカエルのキーホルダーだけが、残っていたのだろう。

そして、昨日の5時間目の後、私が丁度Cクラスをのぞいたときだ。