「やっぱり、危と先輩って付き合ってたんだ……」
「!?」
留美がぽろぽろと涙をこぼす。
先輩は泣き出した留美に驚いている。
蓮華は事情がさっぱり読み込めず、目で私に説明を求めてくる。
とりあえず、蓮華は無視する。
私は荒岡の言っていた、言葉を思い出していた。
『土曜の見回りのとき、長野と会った?』
長野留美は、一昨日、つまり土曜日に、私と先輩が一緒に歩いてるところを、見たはずなのだ。
留美は、おそらく先輩のことが好きだった。
だからこそ、おかしなかん違いをしてしまったのではないだろうか?
私と先輩が付き合っている、と。
私と先輩は委員会も違うのに、一緒にいることなど在りえなかったから。
そう思い込んでしまった――


