留美も、人の痛みが分かる子だから。
「ありがとな。藤澤」
先輩がドアをがらっと勢い良く開けた。
留美と蓮華が、同時にこちらを振り向いた。
先輩の後ろに私もついていく。
だが、疑問がまだ残っていた。
確か、留美のケータイに付いていた、カエルのキーホルダーは荒岡が持っていた。
あれは、どういうことだろう。
それに、留美は荒岡に告白をしていた。
留美が荒岡を好きだったとは思えない。
友達というレベルまでいってなかった。
どちらかというと、留美は河原崎先輩と仲が良かったはず――
「……先輩?」
留美が目を見開いて、河原崎先輩を見ている。
そして、留美の顔が悲しそうな顔に変わる。


