「そういえば、留美のメアドを先輩に教えたって当人に言ってないなー……」

ベッドの上で横になり、壁を向いた状態でつぶやく。

右手に持っているケータイには、


『マリナが怒ってるよ(^_^;) 助けて~ 笑』


という、蓮華からのメールが表示されている。

おそらく、私が風邪をひき、遊べなくなった事に怒っているのだろう。

マリナなりに心配してくれてるのだ。

マリナとは別クラスだが、小学校からの付き合いで、結構仲がいい。

ゆるく巻いた長髪が良く似合う、活発な子だ。

瞬きを何回かする。

ふとんを左手で引き、顔を隠すようにかぶる。

昨日の“見回り”で風邪を引いてしまったようだった。


『マリナに「蓮華に八つ当たりしといてね」って言っといて(=゜ω゜)ノ』


送信ボタンを右手の親指で押す。