戦国爆走物語





「おー、よく飛んだなこりゃ。」




ふわりと着地した煌炎は手を額に翳して文殊が飛んでいった方向をぼけーっとした表情で見つめた


しかし、片霧文殊



これしきのことで意識を失うほどやわではない


吹っ飛び土埃がまう場所から「きひひひひ」とまた不気味に笑い声が響く




「お?」



文殊の姿が土埃から捉えられるほどになると、うっすらとその横にももうひとつの姿が見えはじめる



「ったく、おたく卑怯って言われねぇか?」





不気味な笑いを浮かべた文殊の腕には、恐怖で震える観客の一人であろう若い娘が拘束されていた


「ひ…!!!!!」


更に娘の首元にあてがわれた刃に、娘は小さく悲鳴を漏らす