「斎さん…!
煌炎さんの相手…!!」
手配の瓦版で見覚えのあるその殺人鬼の人相に花恋の表情が更に青くなる
「大丈夫です。」
「いくら煌炎さんでも…!
役人が捕まえるために百人の犠牲を払ったって…!!!!」
「大丈夫と言っているでしょう。」
いつもは穏やかな斎が冷ややかな目で花恋に言い放つ
「ひ…。」
「煌炎様は…、私の主は負けません。」
その気迫に花恋は思わず後ずさる
恐怖のため、斎の感情のコントロールがおかしくなったのか
否、
試合に主を参加させてしまった自分に腹をたてているのか
否、
全て否(いな)だ
彼は純粋に主の力を疑われたことに腹をたてていた
彼の、唯一かつ絶対の主、煌炎を

