やれやれ、煌炎は食べ物につられてどうやら出場を決めたようですね


「鯛焼き。」


「お金にはつられなくてなんで食べ物ならつられるんですか!?」

「鯛焼き。」


「ダメだ…脳内が完全に鯛焼きモードになっていらっしゃる…。」



深く従者はため息をつくと、親切に教えてくれた老人に向き直る


「ご老人殿、この度は有益な情報ありがとうございました。」

「ふがふが、いいんじゃよ。
大会は今日の昼からじゃけのぅ、エントリーはそこの広場で行っとる。
早めに行くんじゃぞ。」


「何から何まで親切にありがとうございます。」


「鯛焼き………。」


「ふがふが、それと一つそこの少年に伝えて欲しいんじゃが…。」

「…?
はい、煌炎様にですか?」

「ふがふが、そうじゃ。」

すると老人のニッコリと笑った顔が一気に鬼神の形相に一変する


「『童(わっぱ)があんま舐めた口きくと半殺しにするぞボケナスが。
次、大会であった時はねじりふせてくれるわ』、とな。」


「……………(唖然)。」


そのまままたニッコリと老人は笑うとふがふが言いながら去ってゆく

腰にはクナイがギラリ


「…あのご老人も大会に参加するつわものだったようですね…。」

「私…、びっくりして腰がぬけちゃった…。」

「鯛焼き…。」