「花恋様は、藤王宮【フジノミヤ】家のご令嬢であらせられるぞ!
虫けらの賊が無礼な口をききよって!」


花恋が使用人の口を止める前に、賽が使用人に向かって言った


「おまえたちこそ無礼だぞ?」


珍しく賽は怒っているようだった


煌炎は大して気にも止めず、ムシャムシャと肉まんを食べている


「何を申す…!!」


「おまえたちは知らないのか?
このお方は、狐王皇【コノウオウ】家の第4子息煌炎様ですよ…!」


賽が言い放つと、使用人たちは慌ててざわめき出した


「なんと!!
孤王皇家なはずがあるまい!!
孤王皇家は狐と人形の間に生まれて巨大な法力を持っていると聞く。
そんなガキが…。」


「煌炎様!
力をおみせ下さい!
そうすればこいつらも信じる!!」


しかし煌炎は面倒くせぇと一言言っただけだった