五月雨。





「かなと飲むのは初めてだな」




「そうだね。紀さんはいつもこの時間だし、日曜は早い時間に来るから私は仕事中だしね!」






「かなは今日はなんでこんな時間までいるの?」






「あー。振られたの…」






「んっ?失恋?」






「違う。リョーコとなるくんに」






「リョーコは友達だっけ?なるは…可愛いお姉さん達と楽しそうだなぁ(笑)」





「でしょー。もう、一緒に飲む約束だったのに」







「まっ、お陰でオレはバーのアイドルと隣で飲めて嬉しいけど」







えっ…?



あっ、そっか。




「ありがと。紀さんは相変わらず褒め上手だね!」






私が、呆れた口調でいうと




紀さんは爽やかに笑っているだけだった…





やっぱりね。