夏の空の虹

一時間くらいたとうとしていた。

『ご飯食べるわよー』

「わかったあ」

お母さんの声がした。

涙の跡…

ばれるなこりゃ。

「ふけぇぇ」

俺がそう言って

ティッシュを差し出すと

ははっと笑い

『さんきゅっ』

と言い、ゴシゴシ顔を拭いた。

こいつは多分自分が俺の変わりに家族支えないといけないって

そう思ってるから

家でなんか

弱音吐けないよな。

なんでもかんでも

のしかかって

ごめんな。

ほんとに

ごめんな。

顔を拭いている一輝の横顔に

そう言った。