私はついその人に見とれてしまった。



「あの…?」


相手の人が口を開いた。



「あっ!すいません。何かありましたか?」



その人は地図のような紙を持っていて、旅行鞄をひいていた。


道でも迷ったのかな…?



「…あなた可愛いね!」



……えっ?


突然の言葉に止まってしまった。



女の人の目がキラキラ光り出した。


「名前は?」


「…優羽です。村上 優羽」



名前を言った途端、女の人の顔が変わった。



「あなた…優羽ちゃん?」


「はい。そうですけど…」



でも私、この人と会った覚えがないけど…



「なるほど……あなたが…噂以上ね…」


女の人はブツブツと何か呟いている。