そうすると陰が私を覆うように抱きしめた。



最初は逃げようとしたけど力が強くて逃げられない。



――そして、やっと気づいた。
この匂い……




すると上から聞き覚えのある声が聞こえた。



「優羽、大丈夫か?」



だってそれは・・・













「達・・也」










そこには紛れもない達也の姿があった。



「優羽。ごめん!ごめんなっ!」


達也はさっきから謝っている。


そしてこれ以上くっつけないぐらい抱きしめられている。



達也の匂いが…温もりが、なんだか懐かしい…



私も抱きしめ返した。


不思議と体の震えが少しずつ止まっていった。



震えが止まると体が少し離れた。