ロビーに行っても達也の姿はなかった。



達也……



泣きそうな気持ちをグッと我慢していると次は携帯の着信音が鳴った。




「も…もしもし?」


『…優羽』



電話から達也の声が聞こえた。


「達也…」



声が震える。



『優羽、今から言う通りに動いて』


「えっ……?」



いきなり言われた言葉に戸惑っている私に達也は言葉を続けた。



『まず外に出て右に曲がって。真っ直ぐ進んだとこに背の高い木があるから。
少し草むらがあるけどその横をまた進んで』



「えっと…なんで?」


『…そこに行けばわかるから』



そう言って達也は携帯を切った。