そういえば達也のお父さんは見たことも会ったこともなかった。


けど、いきなりそんなこと言われても…



「どっ、どうしよう…」



心の中は一気に不安になった。



だって達也のお父さんってことは会社の社長さんで本条組の組長だよね…


いくら婚約者といわれても私は一般人。


大丈夫なのかな…?



“ギュッ”



不安がっていた私は達也に抱きしめられた。



「達…」
「大丈夫だから!」


私の言葉を遮って達也の声が耳元から聞こえた。



「優羽にとっては不安だらけだと思うけど俺が側にいるから。
だから心配そうな顔をするなよ」



達也が元気づけてくれた。



私の心に気づいたのかな?

すごく嬉しい。