「思ってないとは言い切れない。

そりゃ、離れていると不安。

シゲのこと信じていても、シゲにはシゲの生活があって、その生活の中にあたしは入ることができない。

せめて、あたしの身体でシゲを繋ぎとめておきたい、シゲの女はあたし一人なんだって、自分自身で納得したいって気持ちもある。

でもね、あたし、そんな現実の不安とは遠く離れたところで、増田のおじ様やジャックみたいに、心の繋がりだけでいつまでも人を愛することのできる人がいるっていうのもわかってる。

千鶴子さんが、死ぬ迄繁さんのことを想い続けたようにね」


「ごめん。

なんだか俺、自分の都合で舞にセックスを強要しているような感じがしてさ。

そりゃあ、舞を抱きたい。

でも、セックスしなくたって、舞とは心が繋がってるって、俺、いつも思ってるよ」


こんな風に、舞への気持ちを言葉にして伝えたのは初めてのことだった。