千鶴子の予約してくれたチケットは、十日JAL909便羽田九時五分発沖縄行き、十二日JAL922便羽田夜九時十五分着の飛行機。



二泊三日の沖縄旅行だった。

十三日の舞の合格発表前日には東京に戻ってくる手はずになっている。


(まぁ、よく出来てるよ)


いったい何時頃から用意してあったんだろう、と繁徳は、自分の合格を心から信じて待っていたくれた千鶴子の思いに胸が熱くなった。

繁徳は入学手続き準備を幸子に託し、千鶴子からの合格プレゼント旅行だと言い残して家を出た。

幸子は呆れた顔で、それでも『いってらっしゃい』と最後には納得したように小さく手を振った。

勿論、舞と二人ということは内緒である。


(余計な心配するからな)


というのは言い訳で、実際、千鶴子のお膳立てのランデブーだ、などど口にするのも気恥ずかしかったのだ。