もてまん




「シゲの番号、20292?」



舞が目をこらし、掲示板に貼りだされた番号を追う。


「あっ、あった!

やったぁ~」


舞が飛び上がって喜んだ。


(当然だよ、俺、死ぬ気で頑張ったんだ。落ちてたら、世界滅亡だよ)


繁徳はそんな舞を冷静に眺める。


「シゲ、嬉しくないの?」

「落ちてたら、死ぬ覚悟だぜ、マジで」


繁徳の真剣な表情に、舞が目を丸くする。



「シゲ、大げさぁ」



舞が笑う。


繁徳も笑う。


二人の息が白く舞った。


「千鶴子さんに知らせよう!」

「そうだな、このまま、マンション行くか?」

「うん」

「あっ、その前に母さんにメールしとかないと」


背を向けて歩き出した舞が、その言葉に振り向いた。


「シゲ、携帯買ったの?

あたしに内緒で?」


舞が繁徳の携帯を見ようと手を延ばす。

繁徳はくるりと舞に背を向け、用意してあったメッセージを手早く母幸子に送信した。


〈サクラサク 繁徳〉