もてまん



「えっ、ほんと?」


繁徳を見上げた舞の顔が、ぱぁっと明るく輝いた。


「今更うそついたって始まらないだろ……」


繁徳はそんな舞の様子を見て、返す言葉が見つからない。

繁華街から外れたこの時間、大通りの歩道は人影もまばらで、すれ違う人も殆んどいない。

反対に車道は、タクシーやトラックが、ひっきりなしに行きかう。

夜の通りは、車の照らすライトで明るくなったり、暗くなったり忙しい。

機械的な喧騒の中で、二人の話し声も一瞬のうちにかき消されていく。

「あの角曲がったとこに、公園あるんだ。

ちょっと休んでかない?

足、痛くって……」

舞は、ちょっと立ち止まると、右足のかかとを確かめるように持ち上げた。

「やっぱり、くつずれ。おニューの靴だから」

舞は照れて、恥ずかしそうに笑った。