「食事はどうだったかい?」
千鶴子が二人のテーブルに来て座った。
(うわぁ、すげぇ厚化粧!)
遠目ではわからなかった、舞台化粧を目の前で見て、繁徳は驚いた。
繁徳が千鶴子の化粧に釘付けになる横で、舞がいつのも明るい声で、彼女の問いに答えた。
「とっても美味しかったです。
それに、千鶴子さんの歌も、とっても素敵でした」
「そりゃ良かった」
「あのピアノの伴奏の方も、お上手ですね」
「嗚呼、彼は一流だからね」
千鶴子は静かに頷いた。
「それに、〈星に願いを〉、ありがとうございます。
わたしもあの曲、とっても好きです」
「英語の歌詞もいいけどね、年寄りには判りにくいからね。
あの詩は、あたし達のオリジナルなんだよ」
そして、千鶴子は繁徳に向き直った。
「繁徳はどうだったかい?」
「千鶴子さんの歌、胸に響きました」
繁徳は感じたままを、一言、そう答えた。
「……」
「何か変ですか?」
「いや、何ね、繁さんもそういう風に言ってたなって、
『千鶴子の歌は胸に響くよ』ってね」
「シゲって、繁さんの生まれ変わりだったりして……
まさかね……」
舞の言葉を聞いて、千鶴子は嬉しそうに笑っていた。



