「マコちゃぁん」

「……へ?」


この声は、一葉さんだよね?

でも……、マコちゃんって??




「漫画のヒロインの名前、マコちゃんにしたからっ」

「え?!名前まで、わたしなんですかッ!?」


もちろんだよ〜、と一葉さん。

……これじゃ、漫画のヒロインって丸っきりわたしじゃんか。

恥ずかしいような…、
嬉しいような?





「キャラに反映させるために、真琴ちゃんはこれから『マコちゃん』だからねえ」

「ずっと、マコちゃんって呼ぶんですか……」

「翔もだよ〜」



えぇ?!!




「翔もなの?!一葉さんっ」


………。

わたしの言葉には何も返ってこなかった。

一葉さんはわたしの目の前で、笑顔のまま固まってるし。





「…マコちゃん、俺の名前は?」

「何言ってるんですか、一葉さん」


……大丈夫だろうか、この人。





「マコちゃんって、翔だけ呼び捨てなんだね?」

「え?………あ。」


そうだった。
呼び捨てにしてたな…。




「あはっ、翔には裏切られたからねぇ〜……。」

「……マコちゃん」


うっ。
そんな目で見ないで!

ごめんなさい!
わたしが悪かったですよね!!

勝手な理想でしたよねッ!




「ずるぅい!マコちゃん、ずるいよ!!」