「お待たせ」

「いえ……、ってええぇ?!」


何分かして、翔一先生がリビングに入って来た。




……いや、正式に言えば翔一先生と誰かさん。

先生の隣には、すごい美形の男性が笑顔で立っている。



美形度も年も、翔一先生と同じくらいかな…。





「はじめまして!」

「あ、どうも。えっと?」


めっちゃ笑顔で挨拶してくる男性に戸惑って、わたしは翔一先生に視線をずらした。





「こいつ、一葉(カズハ)」

「俺、翔(ショウ)と一緒に住んでんだぁ」


一葉さんが言う翔は、翔一先生のことだろう。

多分、本名が翔ってこと。




「一緒にって、なぜに?」

よく状況を理解できないわたしは、翔一先生……じゃなくて、翔に問う。


見るからに、仲は良さそうだけど……。





「なんでって、俺は翔と漫画描いてるからだよ!」

「えぇええ!!?」


翔一先生は二人ってこと?!




「翔の『翔』と、一葉の『一』で『翔一』!」


楽しそうに話す一葉さん。

翔は黙ってるから、本当なんだろう。






……この二人が翔一先生なんて、信じられない。