『梨依ちゃんは…幸せなんだね』

 先輩は羨ましそうにそんなことを言う。




『幸せ…は、何処にでもあるんです。気付いてあげるか…なんですっ。見つけてもらえるの待ってるんです』




 あたしが涙を堪えながら言うと、そうだね、先輩はそれだけ言った。そうして、屋上から静かに立ち去っていった。