授業開始のチャイムが鳴り、「じゃあ部活で」と私達はそれぞれの教室へ別れて行った。

「よってここは…であって、……との関係は……」

授業中、私はずっと何かが頭の中でつっかえてる様な気がしてぼーっと黒板を流れる文字を眺めていた。

(通り魔…弓のタトゥー…)


「……」


何かが頭の片隅に引っ掛かってずっと離れない。
はっきりとしないその感覚に私は不安を覚え、チラッと弥琴へ視線を移した。

(私が護らなきゃ…もうこれ以上大事な人を失わないために……)

ポケットに入れたままギュッと手を握り締めると、冷たい感触がとある日の背中を思い出させた。