それから私たちは汐見君の病室を後にした。 「汐見、くれぐれも無理はするな、今は早く体を治す事に専念する様に…」 「はい」 「また明日にでも顔出すから、またな悠哉」 「分かった、圭…気を付けろよ」 「あぁ、大丈夫だ」 「それじゃあ、お大事にね汐見君」 「ありがとうございます」 「一応病院だから安全だと思うけど、もし気になる事があったら何でも報告する事…いいね」 「分かりました」 ―――――― 「一体、誰が何の為に……」 1階へ降りて行くエレベーターの中で梓が表情を曇らせる。 .