私たちはクラブを途中で
抜けて華恋の家に向かった。

向かう途中、いろんな話を聞かせてくれた。


航多先輩との出会い。
いきさつ。告白。
いろんなことをこと細かく話してくれた。


そんな華恋の顔は
今まで私が見たこと
ないほど輝いてみえた。

二人は永遠に別れない。
この時はそんな気がしたんだ。


コンビニに着くと華恋は
おもむろに電話を掛け
はじめた。

相手はたぶん航多先輩だ。

「出ない〜」
半泣きで呟く華恋。

すると華恋の携帯が
大きな音をたてて鳴りだした。

デジタル画面には
“航多”の文字。

折り返しの電話が
かかってきた。

瞬間、華恋の口角が
あがり通話ボタンを押した。

そのまま外に出ていき
ガラス越しの私に口パクで「ごめんね」と言った。


私は笑顔でうなずくと
時間を潰すために携帯を
取り出した。

“新着メール1件”

相手は笑梨だった。
よくみると電話も5件
入っている。

しまったと思いながら
笑梨に電話をかける。


しかし笑梨はでる
気配がなく7コールで
私は電話を切った。


そとの華恋をみると
おもいのほか顔は真剣。

私と目が合い手を
パタパタと上下に振っている。