「あ、礼!先生にさぁ私のノート渡して来てよ!」



春ちゃんはニヤニヤしながら私に頼む。



春ちゃんは少しでも私と先生が話せるようにって協力してくれる。






「うん!任せてっ!」




頼まれた私は、ニッコニコしながら授業を終えて自分の部屋へ戻って行く先生を追いかける。





「せーんせぇ〜っ!!」




先生はくるっと振り替える。




かっこいいよぅ…。




「こら!廊下は走んなって言ってんだろ?俺転けても知らねぇぞ?」




先生の口の悪さからも伝わってくる優しさ。





「先生、転んだら助けてね?」



「だから、俺知らねぇって!」



そう言って笑う先生がかっこいい。




「あ、そうそう。これ。」




春ちゃんのノートを先生に渡す。





「…宮本のじゃん。なんで本人が来ねぇの?」





鈍感だね。



先生が好きだから私が来たんだよ。




なんて言えず。





「…春ちゃんはちょっと今忙しいの!」





咄嗟に出た嘘。



先生はそれを信じてしまう。





「そっか。ありがとな!」




最後にニコって笑ってくれた。






ありがとう、春ちゃん。
ありがとう、先生。