どれほどか時間が経った
松下は
黙してじっと写真を見つめる北川の表情を見て
―『ほう』 と、
新鮮な驚き、或いは
奇妙な安堵感を感じていた
松下警部補は、自分より一回り以上は年下の北川を
『所詮はコネで配属された上司だ』
とは最早感じていない
相手が部下であろうと
上司であろうと
一定の礼節は守りながらブレない
現場指揮も矛盾なく統率の取り方も心得てる
北川は年下とは言え上司としては
十分及第と言える
それでも
どこと無くサツカンらしからぬ言葉遣いと物越しに
ある種の『苛立ち』に似た感情を持っていた
それは
『この上司は同じ警察官なのか』
という一種の不信感でもある
要は万事に甘すぎるんじゃないかという
同業に対する不信感だと
松下は自覚していた
―それが
部屋の奥半分だけ点灯している蛍光灯の
ほの暗い明かりの下で
写真を黙ったまま凝視している北川の顔は
蛇のような刑事そのものの目だった
『こんな顔も出来るんやな、全く不思議な奴や』
松下はそう感じた
松下は
黙してじっと写真を見つめる北川の表情を見て
―『ほう』 と、
新鮮な驚き、或いは
奇妙な安堵感を感じていた
松下警部補は、自分より一回り以上は年下の北川を
『所詮はコネで配属された上司だ』
とは最早感じていない
相手が部下であろうと
上司であろうと
一定の礼節は守りながらブレない
現場指揮も矛盾なく統率の取り方も心得てる
北川は年下とは言え上司としては
十分及第と言える
それでも
どこと無くサツカンらしからぬ言葉遣いと物越しに
ある種の『苛立ち』に似た感情を持っていた
それは
『この上司は同じ警察官なのか』
という一種の不信感でもある
要は万事に甘すぎるんじゃないかという
同業に対する不信感だと
松下は自覚していた
―それが
部屋の奥半分だけ点灯している蛍光灯の
ほの暗い明かりの下で
写真を黙ったまま凝視している北川の顔は
蛇のような刑事そのものの目だった
『こんな顔も出来るんやな、全く不思議な奴や』
松下はそう感じた
