捕食者の季節

―犯人は湖上を移動している

松下は自分の推測を北川に伝え
それが北川課長の考えと一致したことに素直に得心したようだった

もっとも
松下警部補の推測は
ほとんど直感のようなものだったが

北川のそれはやや違っていた
自分が関わった最初の事件である
あの大浦漁港での件が今もずっと気にかかっていたのだ

『正月の大浦の件なんですよ』

北川は松下の顔を見ることもなく
手元のモノクロ写真をにらみながら話した

ただ

両目の焦点は写真にはなかった

北川にとって
数ヶ月前の大浦漁港での行方不明
あの『違和感』の答が手元の写真にある

そう思われて仕方なかった