ジェネラルアトミクス社製
型式MQ-13
無人偵察機
通称"プレデター"


『実はなとっくに岐阜に"ある"のさ』

『待った!』
北川が慌ててたまらず制した
『いくらお前でも、軍事機密まで話すなよ』
―俺は警察の人間なんだぞ


『馬鹿、これくらい気の利いた記者だって知ってるさ』

『それよりな、ホントの軍事機密ってのはここからさ』
目を輝かす加藤を見て


―まったく、危ないヤツだなと呆れた
今夜の話は"聞かなかった"ことにするしかないな

そう思う

『無人偵察機の滞空時間を延ばすためにな、空自のはエンジンを止めるわけよ』

『エンジン?』

『そう、グライダーになるわけさ。コンピュータ制御の自律グライダー』


―だから"風を読む"わけか

初めて北川は
合点がいった



岐阜基地は
航空自衛隊"飛行開発実験団"が展開している

そこで
試験を開始した機材に
北川が考案したプログラミングを利用するのだと


それ以上はさすがに語らなかったし
無論聞くつもりもなかった


―それを"自慢"したかったのだ

いつの間にか柱にもたれて
寝入ってしまった
危なっかしい友人を眺めながら

余りに自分の世界と違う話に
やはり実感は湧かなかった