ところが

例のバスボートの"遭難"の件以来

松下は
この年下の上級者を『認める』ようになった

正確に形容すれば

なお全面的な『信頼』をしているわけではなかったが

存外に『気持ちの良い』男であると分かったからなのかも知れない。


ほどなく

松下警部補は
この年下の刑事課長と共に

再び
奇妙なもう一つの事例に遭遇することになる。

それは
大浦の"遭難"の二か月後に


起こった。