★振り返る人と、歩く人★ あの子は俺に、またね、って手を振った。とびきりの笑顔。 俺は黙って手を振った。見とれていたのかもしれない。俺の大好きな人なのだから。輝いてたよ。 真っ白なほっぺに、噛みついてやろうか。まさしくそんな衝動にかられたよ。 狼が真っ白な羊に噛みつくように。 そんな衝動は、一瞬のうちに消え失せた。