「コモって変なとこ真面目だよね。」
まだ懲りないらしい。
ほんの少し声が小さくなっただけでまだ話してくるなんて。
「そんなことないよ。」
「そうだって!!周り見てみ?話聞いてるやつなんてほぼゼロ!!」
左右を見渡してみると
「まぁ……、確かに。」
休み時間にサスペンス小説を黙々と読んでるようなヤツでさえ、今は話を聞くことなく眼鏡磨きに集中している。
「ちょっとすごくイケメンだからって、ちょっとすごく女遊びが過ぎてるけど根は真面目だからな、コモは。」
「ふっ…。なにそれ。」
そんなこと初めて言われたんだけど。
でも、女遊びしてる時点で真面目じゃないでしょ。
「俺は分かってるよ。」
うんうん、と何かに納得しているように頷く奏太。
残念だけど………
「真面目なんかじゃないよ、僕は。」
学校での言動はただの点数稼ぎ。
真面目なフリしてるだけ。
「続きまして次期生徒会長、2年の小森一悟くん、前へどうぞ。」
_


