僕の彼女は苺味




俯いてたから仕方がないとは分かっているものの、覚えているのが自分だけだというのは少し不満だけど。



年下、もしくは同い年だろう。



黒目がちな大きくて丸い目が特徴的な小さな顔と、白くて華奢な体。



可愛らしくまとまったその容姿は、とてもじゃないけど年上には見えない。



「えっと……………?」



いつまで経っても無言のままの僕に自己紹介して欲しいとでも言うような視線を送ってくる。



………しょうがない。



「小森一悟(こもりいちご)です。こちらこそよろしくね。一人暮らしって何かと大変だし、分からないことがあったら遠慮しないで何でも聞いてくれてかまわないから。」



ま、初対面ってことだしこんなもんかな。


ついでに微笑んで見せる。



……ってあれ?



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